参議院選挙の投開票日翌日である2025年7月21日の午後2時に石破首相が記者会見を開くことが発表されました。
この記者会見は、当初「辞任会見になるのではないか」という憶測が強く流れていました。
その理由として、自民党の歴史的な大敗北予測、首相の不可解な「お礼の電話」、そして党内外からの不満や孤立が、その可能性を裏付けるものと見られていたからです。
しかし、石破総理が過半数割れの結果に直面しても、辞任を回避する可能性が浮上してきました。
その鍵を握るのは、トランプ大統領が設定した日本への関税25%の発動期限「8月1日」です。
この記事では2025年の参議院選挙の結果が事前予測の通り、与党の過半数われとなった場合の石破首相の記者会見が辞任会見であるのか、続投を行うのか予測してみます。
過去の事例から見る「過半数割れ」と総理の選択
過去の参議院選挙で与党が過半数割れした事例は複数あります。
- 1989年（平成元年）参議院選挙：
消費税導入への反発などから自民党は過半数を割り込み、その後、宇野宗佑総理は辞任を表明 - 1998年（平成10年）参議院選挙：
金融危機や経済低迷、スキャンダルなどが重なり、自民党は過半数を大きく割り込み、橋本龍太郎総理が辞任を表明 - 2007年（平成19年）参議院選挙：
年金問題や閣僚の不祥事などで自民党は過半数を割り込み、安倍晋三総理（当時）は当初続投の意向を示したものの、その後体調不良を理由に辞任
これらの事例を見ると、参議院での過半数割れは総理の辞任につながるケースが多いことがわかります。
しかし、直ちに辞任せず、政権運営を継続したり、衆議院解散・総選挙に打って出たりする選択肢も存在します。
参議院は衆議院と異なり解散がないため、与党が過半数を割ると「ねじれ国会」となり、法案成立などが困難になりますが、総理の判断によって対応は様々です。
記者会見の内容：運命を分ける発表に注目
7月21日午後2時に予定されている石破総理の記者会見は、単なる選挙結果の総括を超えた、日本の政治の行方を左右する重要な局面となるでしょう。
記者会見発表で予測される考内容は以下の通りです。
- 辞任表明：
選挙結果の責任を取り、総理辞任を表明する。
この場合、新総裁選の動きが加速し、政局は一気に流動化する。 - 続投表明（大義名分を伴う）：
参議院での過半数割れは認めるものの、8月1日のトランプ関税問題や日米交渉を「国難」と位置づけ、その解決を理由に続投の意思を示す。
この場合、野党との協調や連立の可能性も示唆されるかもしれない。 - 衆議院解散・総選挙示唆：
ねじれ国会解消のため、近いうちの衆議院解散・総選挙に言及する。
石破総理の場合、トランプ関税の発動期限という「国難」を乗り越えるという大義名分があるため、たとえ過半数割れしても、この交渉を理由に続投を選択する可能性も十分に考えられます。
その理由は次のとおりです。
辞任観測を覆す「国難」と交渉のチャンス
アメリカによる日本製品の関税は当初24%を予定していましたが、トランプ大統領は7月7日にSNSで日本へ書簡を送ったと公表し、25%への関税を引き上げと8月1日までの交渉期間延長となりました。
トランプ大統領が新たな関税の期限を8月1日と設定したことは、7月20日の参議院選挙後、わずか10日間で日米が集中的な交渉を行うことを意味しています。
この状況は、石破総理にとって予期せぬチャンスとなる可能性があります。
また、7月17日の大阪・関西万博のアメリカのナショナルデーには、ベッセント財務長官が来日し、石破総理との会談が行われました。
この会談で合意が生まれれば、石破政権に勢いがつく可能性があるのです。
ベッセント財務長官との会談結果は？
ベッセン米財務長官と赤沢亮正経済再生担当大臣の間で、具体的な合意内容は現時点では発表されていませんが、複数の報道によると、両者は以下の点について確認し、今後の交渉継続に意欲を示しています。
- 交渉継続の合意：
7月8日の電話会談、そして7月19日の大阪・関西万博での会談（ベッセン財務長官の訪日中）において、両国間で活発な協議を継続していくことで一致しました。 - 「良い合意」の可能性：
ベッセント財務長官は、日米間で「良い合意」が確実に達成できると述べたと石破首相が記者団に語っています。 - 相互利益の追求：
石破首相は、ベッセン財務長官に対し、赤沢大臣と積極的に関税交渉を進め、相互に利益となる合意を目指すよう促しました。
8月1日のトランプ関税発動期限が迫る中、具体的な関税引き下げや免除に関する合意には至っていませんが、両国は引き続き協議を進める姿勢を示しています。
赤沢経済再生担当大臣は、来週にも再び米国を訪問する計画があるとのことです。
まとめ｜選挙後の日米協議が政権維持の生命線か
石破総理の記者会見は、単なる参議院選挙の結果報告を超え、日本の政治の未来を占う極めて重要な舞台となります。
総理の去就を巡る情勢は、以下の２つの大きな焦点が絡み合った複雑なものとなっています。
- 与党の「過半数割れ」という厳しい現実：
「お礼の電話」や党内外の不満は、自民党が歴史的な敗北を喫し、石破総理の辞任が濃厚であるという見方を強めていました。
過去の事例を見ても、1989年の宇野総理、1998年の橋本総理、そして2007年の安倍総理（当時）と、参議院での過半数割れが総理の辞任に繋がったケースは少なくありません。 - トランプ関税という「国難」への対応：
8月1日を期限とする対日25%関税の発動は、石破総理にとって政権維持の大義名分となる可能性を秘めています。
ベッセン財務長官と赤沢経済再生担当大臣の間で具体的な合意内容は未発表ながらも、継続的な交渉と「良い合意」への期待が示されており、この外交成果が総理の進退に影響を与えることは間違いありません。
過去の歴史が示すように、参議院での過半数割れは総理の進退に直結することが多い一方で、トランプ関税の発動期限という「国難」を乗り越えるという大義名分があるため、たとえ過半数割れしても、この交渉を理由に続投を選択する可能性も十分に考えられます。
しかし、参議院は衆議院と異なり解散がないため、与党が過半数を割ると「ねじれ国会」となり、法案成立などが困難になりますが、総理の判断によって対応は様々です。
7月21日午後2時の記者会見は、単なる選挙結果の総括ではなく、日本の政治の行方を左右する重要な局面となるでしょう。石破総理の口から何が語られるのか、国民の大きな注目が集まっています。
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