「最近のホラー映画って、驚かせるだけで深みがないよね」。
そんな言葉を口にした覚えがあるあなたこそ、この映画の“呪い”に巻き込まれるべきです。
『近畿地方のある場所について』は、ただ怖がらせるだけの映画ではありません。
“近畿地方のある場所”にまつわる怪異の数々――児童失踪事件、集団ヒステリー、都市伝説、心霊配信――が一本の糸となって、観る者の恐怖感と考察欲を刺激します。
そして何より、この映画は“あなた自身の想像力を呪う”仕掛けに満ちています。
観客はまるで、消えたオカルト編集者の足跡を辿る記者になったかのような没入感のなかで、映像の隙間、伏字の地名、ぼやけた写真に目を凝らすことになるでしょう。
あなたは映画を観るという行為そのものが、“ある場所”に近づいていく危険な儀式なのだと気づくはずです。
もしあなたが、本当にゾクっとする体験を求めているなら——この作品を観た夜、きっと地図を開きたくなるでしょう。
「近畿地方の、あの場所って…ここじゃないか?」
この記事では皆さんと一緒に近畿地方のある場所を考察し、古地図が見れる方法について紹介します。
🎥 映画『近畿地方のある場所について』監督・出演者について
監督は、フェイクドキュメンタリーの鬼才・白石晃士監督です。
『ノロイ』『口裂け女』『貞子vs伽椰子』など、観る者の現実感覚を揺さぶる作品を世に送り出してきた彼が、今度は“実在するかもしれない禁忌の地”を描きます。
原作は、2023年8月30日発売の同名の小説です。
ネット掲示板の書き込み、伏字、断片的な証言——読者自身が考察しながら読み進める構造が話題を呼び、「このホラーがすごい! 2024年版」国内編第1位を獲得しました。
脚本は大石哲也と白石晃士が共同で執筆しています。
原作者・背筋も脚本協力として参加し、原作の“呪いの構造”を映画に落とし込んでいます。
主演は、菅野美穂さんが演じるフリーライター・瀬野千紘と、赤楚衛二さんが演じる小沢悠生のお二人で、失踪した編集者の足跡を辿るうちに、恐るべき真実に触れていくストーリーです。
主題歌は椎名林檎さんの「白日のもと」。
その不穏で美しい旋律が、映画の余韻をさらに深く、冷たく染め上げます。
物語のストーリーについて
「行方不明の友人を探しています」——その一文から始まる物語は、ただの捜索劇では終わらない。
オカルト雑誌の編集者が忽然と姿を消しました。
彼が最後に調べていたのは、幼女失踪事件、中学生の集団ヒステリー、都市伝説、そして心霊スポットでの動画配信騒動。
バラバラに見えるこれらの怪異は、やがて一本の線となって“近畿地方のある場所”へと導いていきます。
彼の行方を追うのは、フリーライターの瀬野千紘(菅野美穂)と、同僚編集者の小沢悠生(赤楚衛二)。
2人は編集者の残した資料を手がかりに、事件の真相を探る旅へと踏み出します。
だがその先に待っていたのは、決して見つけてはならない“禁忌の地”でした。
映像はフェイクドキュメンタリーと劇映画が融合した独特の構成で進行し、観客はまるで自分が調査者になったかのような没入感を味わうことができます。
伏字で隠された地名、断片的な証言、ぼやけた映像——それらが観る者の想像力を刺激し、恐怖と考察の渦へと引きずり込むことでしょう。
そして、すべてが白日のもとに晒されたとき、あなたは気づくはず。
この映画は、ただのホラーではない。 それは、“あなた自身が呪われる物語”だったのだと。
🧠 考察:「近畿地方のある場所」の正体とは?
「昨日、“あの場所”で女の声を聞いた。誰もいないはずなのに。」
「しかも、言ってたのは “戻ってくるな” だった。」
そのスレッドは数時間で削除されたが、スクリーンショットは拡散され、一部のネットユーザーは“場所”の特定に乗り出した「近畿地方のある場所」とは一体どこなのでしょうか?
🕵️♂️ 考察1:封鎖された廃トンネル
多くの人が第一に思い浮かべるのは、関西地方のとある廃トンネルです。
かつて事故が起きたことから封鎖されましたが、ネット上には「夜中に悲鳴が聞こえる」「バイクで走ったらエンジンが止まった」などの体験談が投稿されています。
掲示板の証言にも「雨の日だけ、入り口に足跡が現れる」というものがあり、都市伝説の温床となっています。
この廃トンネルに該当しそうな場所は 亀の瀬トンネルかもしれません。
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 大阪府柏原市(関西本線旧線跡) |
建設年 | 1892年(明治25年) |
状態 | 地滑りにより崩壊 → 放棄 → 2008年に地滑り対策工事中に再発見 |
特徴 | レンガ造り・封鎖された入口・地滑り痕・廃線跡・地図に載っていない区間 |
心霊的噂 | 地滑り災害の記憶と重なり、地元では“近づくな”と言われることも |
描かれる廃トンネルの特徴──封鎖された入口、レンガ造り、地滑りの痕跡、そして“地図にない場所”という設定──これらに最も一致します。
📜 考察2:地図にない廃村
古地図でしか確認できない廃村が、“あの場所”ではないかという説があります。
この村は明治時代に疫病によって消滅したとされいますが、現在の地図では完全に抹消されています。
書き込みの中には「祖母が『絶対に行くな』と言っていた場所に似ている」という証言もあり、伝承との関連が浮上しています。
この地図にない廃村に該当する場所はもしかすると滋賀県甲賀市にある、旧・大谷集落かもしれません。
滋賀県甲賀市の山深く、今は誰も語らぬ場所に、かつて「大谷」と呼ばれた小さな集落がありました。
地図にも記録にも残らないその村は、明治期のある出来事を境に、まるで“存在しなかった”かのように人々の記憶からも消えていったのです。
その出来事とは、疫病でした。
村人たちは祠に祈り、神職を呼び、あらゆる手を尽くしましたが、疫病は止まらず、ついには村を捨てる決断を迫られました。
生き残った者は隣村へと移り、祠には「二度と戻るな」と刻まれた石碑を残して去ったといいます。
大谷の名は地図から消され、行政記録にも載らなくなりました。
地元の古老は「大谷は神に触れた村」と語り、若者には近づくなと教えます。
現在、山道の奥に崩れた石垣と、逆向きに立つ鳥居が残るのみ。
Googleマップにも表示されず、訪れる者は「空気が重い」「足音がついてくる」と語るのです。
📡 考察3:山中にある通信施設跡
戦後、軍の通信施設として使用されたが、現在は立入禁止になっている場所も候補として挙がっています。
「電波が異常になる」「スマホが勝手に再起動する」といった現象が報告され、ネット民たちは“記憶を喪失させる場所”と呼んでいます。
映画版では、無機質な建物に対して“生物的な音”が鳴っていたという演出があり、ここがモデルと考える者もいるようです。
この山中にある通信施設跡に該当する場所はもしかすると、奈良県の山深くに地図にも記録にも残らず場所も非公開の場所に、かつて“レーダー基地”と呼ばれた施設が存在していたという噂があります。
昭和30年代、奈良県某所の山中に、国防の名のもとに設置されたその施設は、通信と監視を目的に稼働してましたが、今ではその痕跡すら曖昧で、地元民も語りたがらない“封印された場所”となっています。
当時の国防体制の一環として、航空監視や通信傍受を行うことだったとされますが、施設はフェンスに囲まれ、出入りには許可証が必要で、地元の人々は「山に入るな」「あそこは軍の場所だ」と言い伝えられています。
現在、その場所には錆びたフェンスの一部と、コンクリートの基礎、そして地下へと続く階段の跡だけが残っているという噂です。
地元の登山者が偶然見つけたその場所では、スマートフォンの電波が途絶え、時計が狂うという報告も。
🌌 考察4:異空間に続く神社裏の森
とある神社の裏にある森が、“あの場所”ではないかともいわれています。
「鳥居を越えた瞬間、空気が変わった」「戻ってきたら時間がずれていた」という証言が相次ぎ、 映画や原作の“一度入ったら出てこられない”という描写に合致しています。
かつて大阪・高槻の静かな町に、歩人山稲荷神社が静かに鎮座していたその裏に、鬱蒼とした森がありました。
人々はそこを「アジャリの森」と呼び、忌み地として口を閉ざしたそうです。
神社の近くに住んでいた少年は毎日神社に通っては裏の森で遊んでいましたが、祖父から「森には踏み入るな、あれは“修験者の墓場”だ」と言われていたそうです。
しかし、少年は好奇心に勝てず足を踏み入れたある日、俊介は森の奥で不思議な声を聞きました。
「来タレ、封印ヲ解ケ…」
その声と同時に、森の奥に並ぶ六十基の石塔が淡く光ったという都市伝説も残っており、現代になっても、森には奇妙な噂が絶えません。
昼でも異様に暗い、時空が歪んだような感覚があり、石塔を数えると「ひとつ多い」ときがあるそうです。
地元の人々は今も“封印”が解かれぬことを祈りつつ、神社裏には近づきません。
森の沈黙は今も昔も変わらず、少年の話だけが都市伝説として語り継がれています。
昔の地図の確認方法について
現在は、Googleマップや、その他の地図アプリで誰でも最新の情報を確認できますが、古い情報は削除されて常に更新されていますので、確認方法は限られます。
さらに、時代が令和や平成ではないので、自分が持っている昔の地図帳などでも確認できません。
明治や大正など、年代が古い地図を総称して「古地図」といい、特に、近代以前に作られた地図や、手書きで作られた地図を指すことが多いです。
古地図は、地形の変遷や土地の利用状況、歴史的な出来事などを知る上で貴重な資料となります。
古地図を確認する方法は国土地理院が公開している地図が一番正確かもしれません。
また、国立国会図書館図書館や、大きな図書館で古地図を閲覧するサービスを行っている場合があります。
私が住む関西の「大阪市立図書館デジタルアーカイブ」と称して、古地図を閲覧することができます。
それ以外にも大学などの研究室が公開している地図も年代が限られますが、確認することができそうです。

まとめ
ホラー映画ファン待望の『近畿地方のある場所について』は、2025年8月8日(金)より全国公開されます。
同名の小説が原作で、以下の監督・俳優陣が演じ、椎名林檎さんの歌声が物語をより一層際立たせます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
監督 | 白石晃士 | 『ノロイ』『口裂け女』『貞子vs伽椰子』などを手がける |
脚本 | 大石哲也、白石晃士(脚本協力:背筋) | |
原作 | 背筋『近畿地方のある場所について』 | KADOKAWA発刊 |
主演:瀬野千紘役 | 菅野美穂 | フリーライター 失踪事件を追う主人公 |
主演:小沢悠生役 | 赤楚衛二 | 千紘の相棒で物語の発端となる人物 オカルト雑誌の編集者。 |
主題歌 | 椎名林檎「白日のもと」 | ユニバーサル ミュージック |
原作・映画ともに、伏字や断片的な情報、主観映像(POV)を駆使して観客に“自分で謎を解く”体験を促します。
この記事では次の4つを予想してみましたが、『近畿地方のある場所について』は、ただのホラー映画ではありません。
予想される場所 | 具体的な場所とその名前 |
---|---|
封鎖された廃トンネル | 大阪府橿原市にある、亀の瀬トンネル |
地図にない廃村 | 滋賀県甲賀市にある、旧・大谷集落 |
山中の通信施設跡 | 奈良県のある山中にある電波障電波施設跡 |
神社裏の異空間的な森 | 大阪府高槻市にある、アジャリの森 |
観客自身が謎を解き、禁忌に触れてしまう可能性を孕んだ“参加型ホラー”なのです。
映画を観た後、あなたもきっと地図を広げて「その場所」を探してしまうでしょう。
私個人的には以前の記事で書いた通り、大阪城公園のとある場所は実際に体験した場所として恐ろしい場所です。
ある場所とは果たしてどこなのか?
そんな気持ちで一緒に予想してみましょう。
よかったら皆さんが見つけた「ある場所」もコメントでもらえると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
ではまたね〜。