2025年6月26日――『ダウンタウンDX』は、32年にわたる放送の歴史に静かに幕を下ろしました。
しかし、そのフィナーレに“ダウンタウンの姿”はありませんでした。
松本人志の芸能活動休止、そして浜田雅功の体調不良が重なったことで、番組は“主役不在”という異例の最終回を迎えることになりました。
テレビバラエティの一時代を築いた象徴的存在の終焉は、いま何を語りかけているのでしょうか――。
32年間の“笑い”の軌跡
1993年10月にスタートした『ダウンタウンDX』は、毎回、複数の芸能人ゲストを迎え、写真やエピソードをもとにMCの二人がトークを展開するトークバラエティでした。
ゲストの“素”の部分や意外な一面を引き出すことに長けており、視聴者にとっては「芸能人の人間味」を感じられる番組として、長年にわたりお茶の間に笑いを届けてきました。
通算1383回、のべ1万5000人以上のゲストが出演したこの番組は、まさに“平成・令和バラエティ”の象徴とも言える存在でした。
しかし、最終回はダウンタウンの2人が一切登場しないという異例の構成となり、収録はスタジオではなく、4台の車に分乗したゲストたちが番組の思い出を語る“車ロケ”形式で進行されました。
常連ゲストの勝俣州和さんやベッキーさんらが、笑いと涙を交えながら番組の裏話を披露し、視聴者にとっても感慨深い時間となりました。
松本人志の活動休止と浜田雅功の体調不良
番組終了の背景には、ダウンタウンの“ダブル不在”が大きく影響しています。
松本さんは2024年1月、週刊誌による報道を受けて名誉毀損訴訟に専念するため芸能活動を休止。
その後、浜田さんが単独でMCを務めていましたが、2025年3月に体調不良による休養を発表しました2。吉本興業によると、浜田さんは「長年の疲労が蓄積していた」とされ、医師の助言により静養に入ったとのことです。
この“二人不在”の状況を受け、読売テレビは番組の終了を決断。4月以降は週替わりの代打MCで放送を継続していましたが、6月26日をもって正式に幕を下ろしました。
ダウンタウンの“次の一歩”は?
ただし、ダウンタウンの存在感は今なお圧倒的であり、復帰を望む声は根強くあります。
テレビ界ではすでに“ポスト・ダウンタウン”を模索する動きも見られますが、彼らが築いたフォーマットや笑いのスタイルは、今後も多くの番組や芸人たちに影響を与え続けるでしょう。
『ダウンタウンDX』の終了により、地上波での冠番組がゼロとなったダウンタウン。
現在、松本さんはSNSなどで時折メッセージを発信しているものの、復帰時期は未定。
浜田さんも一時静養するほど体調不良の中で、コンビとしての活動再開は見通せない状況です。
コンビとしての活動は“白紙状態”ですが、彼らのキャリアや影響力を考えると、完全な引退とは考えにくく、いくつかの可能性が浮上しています。
松本人志の復帰は「ネット発信」から?
松本さんは現在もSNSを通じて断続的にメッセージを発信しており、ファンとのつながりを保っています。
2024年11月に訴訟を取り下げた後もテレビ復帰はしていませんが、ネット番組やYouTubeなど、より自由度の高いメディアでの“復帰の足がかり”を模索している可能性があります。
また、松本さんは過去にも『ドキュメンタル』や『FREEZE』など、配信プラットフォームで独自の企画を展開してきた実績があり、テレビ以外での活動再開は十分に現実的です。
浜田雅功は“ピン”での復帰が先行か
浜田さんは2025年3月に体調不良で休養に入りましたが、所属事務所の発表によれば「長年の疲労の蓄積」が原因とされており、たくさんのMCを行ってきた疲労が蓄積しているのかもしれません。
特に、大御所にも臆することなくツッコミを入れても嫌な感じがしないMCは貴重な存在です。
復帰の際は、まずはピンでのMCやナレーションなど、負担の少ない形から始める可能性が高いでしょう。
また、浜田さんは音楽活動や声優など、バラエティ以外の分野でも実績があるため、復帰後は新たなジャンルへの挑戦も期待されます。
コンビとしての再始動は“特番”から?
ダウンタウンとしての本格的な再始動は、まずは年末年始の特番や配信限定の企画など、スポット的な出演から始まる可能性があります。
特に『ガキの使いやあらへんで!』の年末特番など、ファンの記憶に残るフォーマットでの“復活”は、話題性も高く、復帰の舞台としては理想的ですね。
まとめ
『ダウンタウンDX』の終了は、単なる長寿番組の終焉ではなく、日本のバラエティ番組の在り方に一石を投じる大きな出来事でした。
松本人志さんと浜田雅功さんというテレビ史に名を刻んだコンビの“共演の場”がひとつ消えたことは、視聴者にとっても、業界にとっても大きな喪失です。
しかし同時に、これは「笑い」の新たな世代が台頭する転換期でもあります。
番組が残した功績は計り知れず、多くの芸人たちにとっては登竜門であり、視聴者にとっては週に一度の“楽しみ”であり、彼らが育ててきた笑いのDNAは確実に次の世代に引き継がれていくでしょう。
そしていつか、またダウンタウンの二人が並んで語り、笑い合う日が来ることを願って――。