//20250601追加 モバイルバッテリーの安全ガイド|危険性、航空機ルール、認証、選び方を徹底解説! | K’s-Fan
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モバイルバッテリーの危険性─安全な製品選び3つのポイント

コンピュータ

スマホやタブレットなどの充電式電池を使う製品が増えた結果、電池切れによる不便さを補うためにモバイルバッテリーが欠かせません。

高いものはスマホやタブレットなどのが複数回充電できるものや、安いものはスマホの充電が1回ぐらいしかできないものまで様々な製品が増えました。

しかし、たくさんの種類が増えた反面、品質の悪いものは電池が膨張したり、最悪の場合は発火する事故も増えています。

そのため、2025年7月8日から国土交通省や日本国内の航空会社ではモバイルバッテリーの取り扱いルールが変更されました。
新たな規定では、収納棚に入れず目の届く場所に保管することが義務付けられます。

https://www.mlit.go.jp/common/001469460.pdf

そんな生活に密着するようになったモバイルバッテリーの危険性や安全な製品選びのポイントを解説します。

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危険性の理由

モバイルバッテリーの内部にはリチウムイオン電池を搭載しているため、高温環境や強い衝撃を受けると危険性が増します

リチウムイオン電池が危険とされる理由は、その特性や構造に起因します。
主に次の危険性があります。

  1. 内部短絡(ショート):
    リチウムイオン電池は「正極」「負極」「セパレーター」から構成されますが、このセパレーターが破損すると、正極と負極が接触し短絡が発生します。短絡すると急激な発熱や発火に繋がることがあります。
    落下や衝撃による物理的損傷や製造時の欠陥や不良部品が内部短絡の原因になることがあります。
  2. 高エネルギー密度:
    リチウムイオン電池は高エネルギー密度を持つため、小型で大容量の電力を蓄えることができます。しかし、一度に多くのエネルギーが放出されると、熱暴走(後述)を引き起こしやすくなります。
  3. 熱暴走(サーマルランアウェイ)
    熱暴走は電池内部の化学反応が制御不能になる現象で、高温環境やショートが引き金となります。内部温度が急上昇すると、結果として発火や爆発に至る場合があります。
  4. 過充電や過放電:
    リチウムイオン電池は特定の電圧範囲での動作を前提としています。
    過充電では内部の化学反応が活発化し発熱が生じ、過放電では内部材料の劣化や短絡のリスクが高まるため、適切な保護回路が組み込まれている充電器を使用する必要があります。
  5. リチウム金属の性質:
    リチウムは非常に反応性が高く、空気中の酸素や水分と容易に反応します。
    一度異常が発生すると、炎が激しく燃え広がる性質があります。
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リチウムイオン電池の起源と進化

リチウムイオン電池の歴史はそんなに古くなく、商品化されたのは1990年代に入ってからです。

  1. 初期の研究(1970年代前半)
    リチウムを利用した技術が登場。この時期にはリチウムを使った「一次電池」が実用化され、宇宙航空や軍事用に使用され始めました。
  2. 二次電池の研究開発(1980年代)
    1980年には、ジョン・グッドイナフ博士が正極材料として「コバルト酸リチウム」を提案。この研究が現在のリチウムイオン電池の基礎を築きました。
  3. 吉野彰博士の貢献(1985年)
    吉野博士が炭素質系負極材料を採用し、グッドイナフ博士の研究と組み合わせることで、充放電可能な二次電池としてのリチウムイオン電池が完成しました。
  4. 商品化(1991年)
    ソニーと旭化成がリチウムイオン電池を世界で初めて商品化されました。
    当初は携帯電話やノートPCなどの機器組み込みタイプの電源として注目されました。
  5. モバイルバッテリー(2000年前半):
    モバイルバッテリーは、2000年代前半にポータブル外部バッテリーとして登場したのが始まりで、2000年代後半にリチウムイオン電池の技術が進化したことにより、本格的に現在のような形のモバイルバッテリーが普及し、電動自動車や再生可能エネルギーの蓄電池として進化しました。

多くの製品に使われるようになることで効率化と安全性の向上が図られています。

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製品安全と認証

モバイルバッテリーの安全性を確保するため、各国で認証制度が設けられています。
安全性が確認された製品には次のようなマークが付けられています。

  • 日本: PSEマーク
    電気用品安全法に基づく認証で、モバイルバッテリーの安全性を示します。日本国内で販売される製品に必須です。
  • アメリカ: UL認証
    主に過熱や発火リスクに対する安全性を評価する厳しい試験をクリアした製品に付与されます。
  • ヨーロッパ: CEマーク
    EUの安全、健康、環境基準を満たしていることを示すマークです。
  • 中国: CCC認証
    「中国強制認証制度」に基づく認証で、国内線での機内持ち込みには特に重要な基準です。
  • 韓国: KC認証
    韓国の電気製品安全基準に基づいた認証で、リチウムイオン電池も対象に含まれています。
  • インド: BIS認証
    モバイルバッテリーを含む電気製品が、インドの基準を満たしているかを評価する制度です。
  • オーストラリア・ニュージーランド: RCM認証
    電気製品の安全性だけでなく、通信規制にも準拠していることを保証します。

日本国内で販売されているモバイルバッテリーはPSE認証を受ける必要があります。

丸型PSEマークがついていれば安全性が確認されていることになりますので、このマークのついていない製品は流通させることは法律違反になります。

海外の国においても市場に流通させるためには、その国に応じた認証を受けないと法律違反になりますので、認証マークのない製品は安全性について懸念があります。

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安全なモバイルバッテリー選択のポイント

安全な製品を選ぶために、以下の点をチェックしましょう。

  1. 認証マークの確認
    日本国内で販売される商品はPSE認証が必須のため、丸型PSEマークのある製品を選びましょう。
    また、それ以外の国に対するUL認証やCE認証などがあると、日本以外の国で販売するために費用を掛けて評価されていることになります。
  2. 保護機能の有無
    認証を受けている場合は過充電防止、温度制御、短絡防止機能が搭載されているはずですが、それらが明記されている製品を選ぶとより安心です。
  3. 信頼できるメーカー:
    リチウムイオン電池は大手メーカーでもモバイルバッテリーに関して実績のあるブランドの製品がより安全です。
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まとめ

モバイルバッテリーは、日常生活や旅行、仕事の場面に欠かせない便利なアイテムですが、その利用には適切な知識と注意が必要です。

発火や膨張といった事故の危険性がある一方で、リチウムイオン電池技術は私たちの生活を大きく支えています。

特に、高エネルギー密度を持つリチウムイオン電池には、衝撃や高温環境への注意が求められます。
また、製品の品質や保護機能の充実具合により、安全性が大きく左右されるため、信頼できるメーカーの製品を選び、認証マーク(PSE、UL、CEなど)を確認することが重要です。

さらに、航空機内での利用や持ち込みには新しいルールが導入されています。
このような規制は一見煩わしく思えるかもしれませんが、全ては利用者の安全を守るための重要な取り組みです。

最後に、モバイルバッテリーを安全に使用するためには、適切な取り扱いと管理が必要です。

過充電や過放電を避け、劣化が進んだ場合には買い替えを検討しましょう。
また、日常的に使用する中でバッテリーの状態を確認し、高温や衝撃の環境を避けることもポイントです。

これらの知識を持つことで、モバイルバッテリーの利便性を最大限に活用しながら、事故を防ぎ、私たち自身の安全性に繋がります。

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気になる人はチェックしてみてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
ではまたね〜。

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