MacBookで資料作成中、WebサイトやPDF、参考動画を見比べながら作業したいのに、画面が一つしかなくてイライラ…。画面切り替えやアプリの切り替えもも、もう面倒!
そんなお悩みを抱えるMac・iPhoneユーザーのあなたへ。
その手元にあるiPadが、実は最強の「サブモニター」になるんです。
「え、でも設定が難しそう…」
「専用のアプリとか機材が必要でお金がかかるんじゃ?」
ご安心ください。
Apple純正の「Sidecar(サイドカー)」という機能を使えば、誰でも・無料で・驚くほど簡単に、iPadをMacBookのサブモニターとして使うことができます。
この記事では、作業効率を極限まで高めるために実践している「iPadサブモニター化」の全ノウハウを、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
もう、自宅でもカフェでも、作業効率の悪さに悩む必要はありません。
- なぜiPadがMacのサブモニターとして最適なのか
- Apple純正機能「Sidecar」の基本的な使い方と対応機種
- 【有線・無線】iPadをサブモニター化する具体的な設定手順
- 作業効率が劇的に上がるiPadサブモニター活用術
- 知っておくべきデメリットと、その対策
なぜMacの作業にiPadのサブモニターが最適解なのか?

「サブモニターが欲しいだけなら、安いモバイルモニターでも良いのでは?」 そう思われるかもしれません。しかし、特に私たちApple製品ユーザーにとって、iPadを選ぶべき明確な理由が3つあります。
理由1: Apple製品同士の「シームレスな連携」が最強
最大の理由は、Appleが提供する「Sidecar(サイドカー)」機能の存在です。
これは、macOSとiPadOSに標準搭載された機能で、特別なアプリをインストールすることなく、iPadをMacの「拡張ディスプレイ(Macの画面を広く使う機能)」または「ミラーリング(Macの画面をそのまま映す機能)」として利用できます。
Apple純正だからこその安定感、遅延の少なさ、設定の手軽さは、他社のサブモニターアプリや機器とは一線を画します。iPhoneやMacを使っているなら、この連携機能を使わない手はありません。
理由2: 圧倒的な「携帯性」と「機動力」
一般的なモバイルモニターも薄型・軽量化が進んでいますが、iPadの携帯性には及びません。
- 薄くて軽い: バッグにスッと入る。
- バッテリー内蔵: コンセントがないカフェでも使える。(モバイルモニターはMacから給電が必要な製品が多い)
- 多機能: サブモニターとして使わない時も、iPad単体でメモを取ったり、動画を見たり、本来のタブレットとして活躍します。
資料作成は、必ずしも自宅のデスクだけで完結するとは限りません。出先のカフェ、コワーキングスペース、新幹線の中…どんな場所でも瞬時にデュアルディスプレイ環境を構築できるのが、iPad最大の強みです。
理由3: 「Apple Pencil」で直感的な操作が可能に
Sidecarの隠れた逸材とも言える機能が、「Apple Pencil」に対応している点です。
例えば、Macで開いたPDF資料に、iPad側からApple Pencilで直接赤入れ(修正指示)を書き込んだり、イラスト制作ソフトのタブレットとして使ったりできます。
資料作成において、「ちょっとここに印をつけたい」「手書きでアイデアを加えたい」といったシーンで、この機能が想像以上に役立つのです。
「Sidecar」って何? iPadをサブモニター化する魔法の機能

さて、iPadサブモニター化の核となる「Sidecar」について、もう少し詳しく見ていきましょう。
「Sidecar(サイドカー)」とは、前述の通り、iPadをMacの2台目のディスプレイとしてワイヤレス(無線)または有線で接続できる、Appleの標準機能です。
ポイントは「標準機能」であること。
つまり、App Storeから有料アプリ(以前は「Duet Display」などが有名でした)を購入する必要が一切ないのです。条件さえ満たせば、今すぐ無料で利用できます。
Sidecarが使えるiPadとMacの条件(2025年現在)
Sidecarを利用するには、お使いのMacとiPadが以下のシステム条件を満たしている必要があります。
- Mac: macOS Catalina 10.15 以降を搭載した以下のいずれかのモデル
- MacBook Pro (2016 年以降)
- MacBook (2016 年以降)
- MacBook Air (2018 年以降)
- iMac (2017 年以降) または iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015)
- iMac Pro
- Mac mini (2018 年以降)
- Mac Pro (2019 年)
- Mac Studio
- iPad: iPadOS 13 以降を搭載した以下のいずれかのモデル
- iPad Pro (すべてのモデル)
- iPad (第 6 世代) 以降
- iPad mini (第 5 世代) 以降
- iPad Air (第 3 世代) 以降
- Mac: 画面左上のAppleロゴ >「このMacについて」で確認できます。
- iPad: 「設定」アプリ >「一般」>「情報」の「モデル名」と、「ソフトウェア・アップデート」でOSバージョンを確認できます
また、有線・無線どちらで接続する場合も、MacとiPadで同じApple IDを使ってiCloudにサインインしている必要があります。
より詳細な要件については、Appleの公式サポートページもご確認ください。
iPadをMacのサブモニターにする具体的な設定手順 (Sidecar)

ここからは、実際にiPadをMacのサブモニターとして設定する手順を、有線・無線のパターン別に解説します。驚くほど簡単ですよ。
準備: MacとiPadで設定を確認する(初回のみ)
まず、以下の設定がONになっているか確認してください。
- 両方のデバイスで同じApple IDでiCloudにサインイン
- 両方のデバイスでWi-FiとBluetoothがオン(無線接続の場合)
- Handoff(ハンドオフ)がオン
- Mac: 「システム設定」>「一般」>「AirDrop と Handoff」
- iPad: 「設定」>「一般」>「AirPlay と Handoff」
【安定性重視】有線(USB-C / Lightningケーブル)接続の方法
こんな人におすすめ:
- 接続の安定性を最優先したい
- iPadを充電しながら使いたい
- Wi-Fi環境が不安定な場所で使う
手順:
- MacとiPadを、iPadに付属のUSBケーブル(LightningまたはUSB-C)で物理的に接続します。
- iPadに「このコンピュータを信頼しますか?」という表示が出たら「信頼」をタップします。
- Macの画面右上にある「コントロールセンター」(スイッチが並んだアイコン)をクリックします。
- 「画面ミラーリング」または「ディスプレイ」の項目をクリックします。
- 接続可能なデバイスとして、あなたのiPad名が表示されているはずです。
- 表示されたiPad名をクリックします。
たったこれだけです! 瞬時にiPadの画面が切り替わり、Macのデスクトップが拡張されます。有線接続は、遅延がほぼゼロで、iPadへの給電も同時に行われるため、長時間の作業に最適です。
【手軽さ重視】無線(Wi-Fi / Bluetooth)接続の方法
こんな人におすすめ:
- ケーブルの煩わしさから解放されたい
- カフェなどでスマートに使いたい
- MacとiPadを少し離して置きたい
手順:
- (ケーブルは接続しません)MacとiPadが近くにあることを確認します。(推奨10m以内)
- Macの画面右上にある「コントロールセンター」をクリックします。
- 「画面ミラーリング」または「ディスプレイ」の項目をクリックします。
- (有線接続時と同様に)iPad名が表示されるので、それをクリックします。
これだけ! ケーブルを繋ぐ手間すらありません。近年のWi-Fi環境であれば、無線でも資料閲覧程度なら遅延はほとんど気になりません。ただし、iPadのバッテリーは消費しますのでご注意を。
接続後の設定: 「拡張」か「ミラーリング」か
Sidecarで接続すると、デフォルトでは「拡張ディスプレイ」として機能します。これは、Macのデスクトップ領域がiPadの分だけ広がるイメージです。資料作成時はこちらが断然おすすめです。
もし、Macの画面と全く同じものをiPadに映したい場合(例えば、対面する相手に画面を見せる時など)は、「ミラーリング」に切り替えます。
切り替え方法:
- Sidecar接続中に、Macの「コントロールセンター」>「画面ミラーリング(またはディスプレイ)」をクリックします。
- 接続中のiPad名の横にある「…」やオプション(OSバージョンにより表示が異なる)をクリックします。
- 「主ディスプレイとして使用」「拡張ディスプレイとして使用」「(メインディスプレイ名)にミラーリング」といった選択肢が表示されるので、用途に合わせて選びます。
iPadをサブモニター化するデメリットと対策

完璧に見えるSidecarですが、いくつか知っておくべき注意点(デメリット)もあります。しかし、ご安心ください。対策も併せて解説します。
デメリット1: iPadのバッテリー消費が早い(特に無線接続)
iPadも常に画面を表示し、Macと通信し続けるため、バッテリーは確実に消費します。特に無線接続では、Wi-FiとBluetoothを使い続けるため、消費が早くなります。
- 対策1(最強): 有線接続で使う。 これが一番確実です。MacBookが電源に接続されていれば、iPadも同時に充電されます。
- 対策2: モバイルバッテリーを準備しておく。出先で無線接続を多用する場合は、iPad用のモバイルバッテリーがあると安心です。
デメリット2: 無線接続時の「若干の遅延」
環境にもよりますが、無線接続の場合、マウスカーソルの動きや動画再生などで、有線接続に比べてわずかな遅延(ラグ)を感じることがあります。
- 対策: 用途で使い分ける。
- 遅延が気になる作業: 動画編集、高頻度なマウス操作が必要な作業
- 遅延が気にならない作業: PDFやWebサイトの表示、チャットツールの表示
- 資料作成(Word, Excel, PowerPointなど)やコーディング程度であれば、無線でもストレスを感じることは少ないはずです。
デメリット3: 画面サイズが小さい(iPad miniなど)
iPadは、あくまで「iPad」です。12.9インチのiPad Proなら十分な大きさがありますが、iPad mini (8.3インチ) や iPad無印 (10.9インチ) をサブモニターとして使う場合、表示領域が小さいと感じるかもしれません。
- 対策: 表示するものを限定する。
- 小さい画面でも、参考資料(テキストベース)や、Slack・Chatworkなどのコミュニケーションツールを表示させておくだけでも、画面切り替えの手間は激減します。メイン作業はMac側で行いましょう。
【活用術】iPadサブモニターで資料作成がこんなに変わる!

では、具体的にiPadサブモニターをどう使えば、資料作成が「爆速」になるのでしょうか? 私が実践している活用術をご紹介します。
活用例1: 【王道】参考資料をiPadに「固定表示」
これが最も効果的な使い方です。
- Mac (メイン画面): PowerPointやKeynoteでスライドを作成
- iPad (サブ画面): 参考にするPDF、競合他社のWebサイト、過去の資料、クライアントからの指示書(メールやチャット)
これまでは資料と作成画面を何度も行き来していた作業が、「見る」と「作る」の完全な分業になります。思考が中断されず、作業に没頭できる時間が劇的に増えますよ。
活用例2: 【動画学習にも】参考動画をiPadで「再生」
最近は、操作方法やノウハウをYouTubeなどの動画で見ながら作業することも増えましたよね。
- Mac (メイン画面): 実際に手を動かす作業(例: Excelの関数入力、デザインソフトの操作)
- iPad (サブ画面): 操作方法を解説しているYouTube動画
動画を止めたり再生したりするために、作業画面を切り替える必要はもうありません。
活用例3: 【上級者向け】MacのツールパレットをiPadに「分離」
PhotoshopやIllustrator、動画編集ソフト(Final Cut Proなど)を使う方にもSidecarは有効です。
- Mac (メイン画面): メインの編集キャンバス(作業領域)を広く使う
- iPad (サブ画面): ツールバー、レイヤーパネル、カラーパレットなど、頻繁に使うパネル類を移動させる
さらに、iPad側ではApple Pencilを使って、ペンタブレットのように直感的な操作(例: マスクの切り抜き、レタッチ)も可能です。
どのiPadを選ぶ? サブモニター用途におすすめのモデル(2025年版)

「iPadサブモニター、良さそうだけど…どのモデルを買えばいいの?」 すでにお持ちのiPadがSidecarに対応していればそれを使うのがベストですが、これから購入する方のために、用途別のおすすめモデルをご紹介します。
【コスパ重視】手軽に始めたいなら「iPad (無印 / 第10世代以降)」
- 特徴: 最もスタンダードで価格が安いモデル。
- おすすめな人: とにかくコストを抑えてデュアルディスプレイ環境を試したい人。
- ポイント: 画面サイズも10.9インチあり、サブモニターとして十分機能します。
【バランス最強】持ち運びと性能なら「iPad Air (第5世代以降)」
- 特徴: 無印より高性能で薄型軽量。Apple Pencil(第2世代)に対応しています。
- おすすめな人: カフェなどへの持ち運びが多く、性能にも妥協したくない人向けです。
- ポイント: 私(筆者)もこのAirモデルを愛用しています。資料作成のサブモニターとしては、性能・サイズ・価格のバランスが最も優れていると感じます。
【最高体験】メイン機としても使うなら「iPad Pro (12.9インチ)」
- 特徴: 最大・最高性能のiPad。ProMotion(高リフレッシュレート)で見やすい。
- おすすめな人: 自宅での作業がメインで、サブモニターにも広さと高画質を求める人向けです。
- ポイント: 12.9インチは、MacBook (13〜14インチ) とほぼ同等のサイズ感。もはや「サブ」とは呼べないほどの快適な作業領域を確保できます。
各モデルの最新情報や価格比較は、Appleの公式サイトで確認するのが確実です。
まとめ:Sidecarを使ってMacBookとiPadで資料作成を爆速に!

今回は、MacユーザーがiPadをサブモニター化し、資料作成の効率を劇的に上げる「Sidecar」機能について、設定方法から活用術まで徹底的に解説しました。
この記事のポイント:
- iPadサブモニター化は「Sidecar」機能で無料・簡単に実現できる。
- 有線接続は安定・給電、無線接続は手軽。
- 「拡張ディスプレイ」として、参考資料や動画をiPadに表示させるのが王道。
- バッテリー消費には注意。長時間は有線接続がおすすめ。
MacBookとiPad、この2台の組み合わせは、私たちが想像する以上に強力な作業環境を生み出してくれます。
あなたが今、画面の小ささや切り替えの手間に少しでもストレスを感じているなら、この記事を読み終えた今、すぐに試してみてください。 おそらく、もう元のシングルディスプレイ環境には戻れなくなるはずです。
もし、あなたがまだiPadを持ってないなら、この記事を参考にiPadの購入を検討してもください。
あなたの資料作成が、より速く、より快適になることを願っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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ではまたね〜。

